もしも今
自分がこの世界からいなくなってしまったとして
家族以外のだれかから
自分を思い出して泣いてもらえるような
そんな生き方を
自分はしているのだろうか。。。
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*実家滞在が長くなったわけ*
今週初に実家から戻ってきました。
今回は実家での滞在が2週間となってしまいました。
おかげで帰ってきた時に
ネコのきなこが超ご機嫌ナナメ。
たった数日なのにわかるのでしょうか?
偶然かもですが面白いネコです。。。
もともと先月はシフトの日数が姉妹全員13日と
いつもより長い予定でした。
そこに「菩提寺に行く」という予定が加わったのです。
今後の実家のことで
長女と一緒に相談にいこうと急に決まり、
彼女が帰省する翌日と
菩提寺のご都合とが合ったのでその日に伺い、
予定より一日のばした次の日に
埼玉の自宅に帰ってきました。
菩提寺でのことは
またの機会にお話しできればと思います。
*古民家のお蕎麦屋*
さて、
菩提寺に伺ったのは午前中で、
その日は母もデイサービスの日でいなかったので、
姉と久しぶりにランチを食べに行こう
ということになりました。
そこで姉が候補にあげたのが、
自宅から車で20分で行ける
山の上にある美味しいと評判のお蕎麦屋さん。
ここは母方の2年前に亡くなった元料理人の義伯父の
知り合いがされているお店とか。
姉が義伯父の葬儀の時に
いとこから教えてもらっていたそうです。
*森を抜けた先*
そのお店に行くには
幹線道路から脇道にはいって次第に、
車が一台やっと通れるほどの細い山道を進んでいきます。
左右は木々で薄暗く、
ウネウネと曲がりくねり、
こちらの気持ちまで心細くなっていくような道を
どのくらい走ったでしょうか?
森を抜けて山の上まで辿りついたところに
やっと蕎麦屋の看板が見えてきたときはホッとしました。
周囲を山に囲まれ
見晴らしのいい山頂にたつ古民家。
それが目的の蕎麦屋です。
眼下には田畑や民家が点在していますが、
ひとの姿もなく、とても静か。
鳥の鳴き声だけが山や谷に響き渡っています。
周囲の静けさとは反対に
その蕎麦屋はお客でにぎわっていました。
お店の中には靴をぬいで座敷に上がったイス席と、
外には簡易な屋根のあるテラス席がありました。
混んでいたので
順番が来るのを待ちながら、
お店の方がお客さんの洋服の色に感心したり、
ていねいにお品書きの説明をしたり、
常連客と親しげに話すようすを眺めていました。
しばらくして呼ばれたので、
私たちは外のテラス席を選んですわりました。
長女は子持ちやりいかの天ぷらとざるそば、
私は鱧とマイタケの天ぷらにざるそば。
蕎麦の味はもちろんですが、
天ぷらが食べ応えのある量と大きさでサクサク。
あまりにも美味しくて、
つい写真を撮るのを忘れてしまいました。
*思いに触れて*
お店の方がお茶のおかわりを持ってこられたタイミングで、
長女が義伯父のことを尋ねました。
「義伯父とこちらの店主の方がお知り合いと聞きまして。。。」
「そうですか、なんとおっしゃるんでしょう?」
「○○○○といいます。2年前に突然、事故で亡くなりまして。いとこからこちらを聞きまして。。。いつか伺いたいと思っていました」
「はぁ~そうですか。ありがとうございます。主人にきいてみます」
店主の奥様だったようですが、あまり反応がなかったので、
それほどのお付き合いではなかったかなと思いました。
食事をすませお会計をするときでした。
おつりを私に渡しながら店主の奥様が、
「本当に突然で。。。思い出して。。。あまりにもツライです」
とおっしゃって下さったので私も、
「急なことだったので私たちも。。。」
。。。といいながら、その奥様のお顔をみたときにハッとしました。
目に涙をいっぱい溜めておられたのです。
そして、
「きっと今日は主人の横に立って
“そのやり方は違うで”って言ってくれてるんじゃないかと思います」
私も、
「義伯父もきっと私たちと今日、いっしょに美味しくお蕎麦をいただいてたと思います」
グッとくるのを抑えながら、
やっとの思いで伝え、お礼をいって店を出ました。
帰途につきながら、
義伯父がお蕎麦屋の厨房に立って
嬉しそうに店主がお蕎麦をゆでるのを見ている姿を思い浮かべました。
そして
生前の義伯父の生き方や人との関わり方を思い出して、
自分と重ねていたのです。
丁寧に。。。
誠実に。。。
生きる姿勢を
教えてもらえたような
そんな静かで大切な一日になりました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。