ねことらうさぎ

アート、植物、散歩、猫、パン、遠距離介護の合間にあれこれの日々を書いていきます。

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高齢で認知症の母のコロナ感染闘病記(その①)

「なにをーーーーーー?もういっぺん言うてみぃーー!」

 

真夜中の母屋の台所で、

89歳、コロナに感染した認知症の母が私に、

コブシを振り上げて怒鳴ったのでした。

 

 

 

 

 

埼玉から瀬戸内地方の実家に介護帰省中です。

 

89歳で認知症の母がコロナ感染しました。

 

その時の様子はこちらから↓

nekotorausagi.com

 

 

発熱外来検査後(0日目)

発熱外来で検査を受け、

母が陽性、私が陰性で濃厚接触者となりました。

 

検査から実家に戻ってきて

とりあえず母に部屋で休んでもらったあと、

私は微熱のあるなかで

軽いパニックになっていました。

 

 

まずは感染予防。。。

その前に夕食を母に食べさせないと。。。

私が高熱が出たら何も出来なくなるから、

今のうちに出来ることって。。。?

えーっと、えーっと。。。

 

 

頭がグルグルして考えがまとまりません。

 

なにをどうすればいいんだっけ〜?

 

 

まずは母のお雑炊を大量に作って、

それから翌日のお昼に炊き上がるよう、

炊飯器にお米をセットして。。。

 

とりあえずご飯さえあれば何とかなる!

 

 

実家は幸いにも地方の田舎あるあるで、

母屋と離れ家の二棟で成り立っています。

 

母屋には台所、お風呂、トイレ、その他の座敷部屋があり、

離れ家には1階に母の寝室、トイレ、簡易なキッチンと居間、

2階に私たち姉妹が来たときに泊まる部屋とトイレがあるのです。

洗濯機も2台、なぜか外と母屋のお風呂場にあります。

 

よくよく考えると、

こういった事態には好都合の家といえるかも。。。

 

 

そう思うと、

少し落ち着きをとり戻し、

必用なものをセッセと母屋から離れ家の居間に運びこみました。

 

母の薬、高熱が出た時に必要な医薬品、体温計、

除菌グッズ、ゴミ袋、介護用手袋、リハビリパンツ、新聞紙 etc。。。

(母は普段は普通の下着ですが、療養生活ではリハビリパンツをはいてもらおうと決めました。父の為に買ってあったやつの余りです。)

 

こうして母の感染対策基地が、

とりあえず離れ家の居間に完成!

 

そして私の寝室には、高熱が出た時のためにと、

ベッド周りの手が届く場所に、

あらゆるものを取りそろえておきました。

 

 

準備完了!

さぁ、いつでも高熱こいっ!

 

。。。いやいや、それは困るのですが、

まさにそんな気分。

 

 

 

その日の夜に母の熱が38.5度になったので、

処方された解熱剤を飲ませて、

私も微熱がまだ続いていたので

市販の風邪薬をのみ早めに休みました。

 

 

 

真夜中にアクマ降臨?

どのくらい寝たのでしょうか?

階下から声が聞こえてきました。

 

誰かおりますかぁー?

誰かおりますかぁー?

誰もいない。。。?

 

時計をみると午前2時です。

そのあと離れ家の玄関のバタンと閉まる音が!

 

母が母屋に行ったかも。。。?

 

 

あわててマスクをつけて階下に降りると、

1階のどこもかしこも電気がつきっぱなしです。

 

母屋に向かうとやっぱり、

そこここで電気がついて明々としていました。

 

 

母はマスクもしないまま台所にボーと立っていました。

その目はすわっています。

そして私を見つけると、こういいました。

 

みんなどこに行ったん?

ワタシは何でここにおるん?

この家はどうなっとん?

 

私は母にデイサービスでコロナ感染したこと、

部屋から出ないでほしいと伝えました。

 

すると母は、まさかの高笑い!

 

コロナ〜?

そんなの知らんわ〜。

私は部屋におりたくないの!

ウロウロするのはワタシの勝手でしょー!!

 

私は今はウイルスがとても多い時なのでマスクをしてほしい、

とにかく部屋にいてくれないと、

もし私まで感染したら共倒れになる、

と必死に母にうったえたのです。

 

するとなんと、

私が困った顔をすればするほど、

母はさらに高笑いをするのでした。

 

そんなことは結構、

死んでもええんじゃ!

ハハハハハ〜!!

 

 

ワルトラ降臨だ!

 

トラとは母の名前ですが、

時々、お昼寝のあとや真夜中など、

頭がじゅうぶんに覚めきっていない時などに、

母の人格は「悪いヒト」に変身することがよくあります。

 

私たち三姉妹は、

それを、

ワルトラ

と呼んでいるのですが。。。

 

 

でたな!?ワルトラ!

 

ハハハハハ〜!

 

。。。。。。。。。。

 

 

 

ハハハハハ〜。。。じゃないんですけど。。。

 

 

もう、カンニンブクロがプツンッと切れ、

私はとうとう母に向かって怒鳴ってしまいました。

 

 

ホントに伝染るんだからぁ〜!

この悪トラーーー!!

部屋に入っててって言ったでしょーーーー!!!

 

 

。。。と、その時、

ワルトラ。。。いえ、母が、

 

 

なにをーーーー!?もういっぺん言うてみぃー!!

 

 

そう言いながら私に

コブシをふり下ろしてきたのです!

 

もちろん母のコブシは空振りです。

しかしながら、

今夜の悪トラはバージョンアップした、

 

アクマドラ!?

 

 

いやいや、

冗談を言ってる場合ではないのですが、

いつもの母と様子が違うので、

少し背筋が凍りついたのでした。

 

 

その後は母の寝室まで

押し問答をくりかえしながらも連れて行き、

やっと寝かしつけることに成功したわけですが、

 

これはコロナウイルスのせいなのかしら。。。?

 

そう思いながら自分のベッドに倒れこんだのでした。

 

 

初日からこんなのって。。。

先が思いやられます。。。

やれやれ。。。

 

続きはまた次回。

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。